【8月15日は戦没者を追悼し日本の平和を祈念する日。半旗を掲げ反戦を決意せよ】

この日は特別な日。昨年10月21日、次の質問を埼玉県へ投げ掛けた。今年の8月15日今日、空に半旗が翻った。

埼玉県議会
令和3年9月定例会 一般質問
質問・答弁全文

「戦没者を追悼し平和を祈念する日」になぜ半旗は掲揚されないのか
– 今年の状況について – 埼玉県諸施設

 

Q 浅野目義英 議員(無所属)
8月15日とはどんな日でしょうか。
政府はポツダム宣言を受諾し、翌1945年8月15日の正午、昭和天皇による玉音放送がラジオから流れ、日本が無条件降伏したことが国民に伝えられました。
8月15日は、第2次世界大戦が終結した日です。
我が国が、平和と民主主義の国家づくりを決意した日です。
また、さきの大戦における戦没者は、軍人、軍属、一般国民、合わせて310万人もの命の犠牲を伴ったものでした。何より大切な家族を失った、家など財産を失った、人生が大きく変わってしまった、そんな日本人もたくさんいたのです。そんな埼玉県民もたくさんいたのです。悲惨な結果の戦争でもありました。

ですから、この8月15日は、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」となっています。1963年、昭和38年から毎年、政府主催による全国戦没者追悼式が行われています。政府は、8月15日の式典当日は、国立の施設には半旗を掲げることとし、地方公共団体にも同様の措置をとるよう通知で勧奨しています。

―質問です。

今年の状況についてですが、今年8月15日における埼玉県の半旗の掲揚状況はどうだったのでしょうか。まず、埼玉県諸施設の状況について、福祉部長からお答えをいただきたく存じます。

A 山崎達也 福祉部長
毎年、8月15日に政府が執り行う全国戦没者追悼式にあわせ、厚生労働大臣から県に対し、追悼の趣旨の徹底として、県施設での国旗の半旗掲揚について依頼があります。
本年度も依頼の趣旨を踏まえ、福祉部から本庁舎を管理する総務部長及び、地方庁舎等を管理する各地域機関の長あて半旗掲揚のお願いをいたしました。
当日の半旗掲揚の状況について、本庁舎及び11の地方庁舎、3つの合同庁舎の庁舎管理責任者に確認いたしました。
なお、今年の8月15日は日曜日で休日であり、天候は雨でした。 全ての庁舎において半旗掲揚は行われていませんでした。

 


 

Q 浅野目義英 議員(無所属)
県教育施設ではいかがな状況ですか、教育長からお答えをいただきたく存じます。

A 高田直芳 教育長
毎年、全国戦没者追悼式に合わせ、文部科学事務次官から県教育委員会に対し、半旗掲揚について厚生労働事務次官通知の趣旨に則った取り扱いの依頼があり、本年度も県立学校及び教育機関へ通知いたしました。
一方、近年は、学校の働き方改革を進めるため、文科省から、夏休みなど長期休業中の一定期間において、学校閉庁日を積極的に設定するよう求められており、県においても、お盆の時期を学校閉庁日としている学校が多くなっております。
今年の8月15日に半旗掲揚を行ったのは県立学校では176校中2校でありました。

 


 

来年について – 県教育施設
Q 浅野目義英 議員(無所属)
警察は、ほぼ全施設で掲揚。けれども埼玉県施設においては、ほぼ掲揚なし。埼玉県立学校は、掲揚が僅か2校。埼玉県内のほとんどの施設と学校の空には、半旗が掲揚されなかったということになります。理由は、今年は日曜日であったため、雨が降っていたため。
実は、昨年も土曜日であったため、埼玉県庁では上がっていたけれども、埼玉県浦和合同庁舎では上がっていなかった。浦和高等学校でも上がっていなかった。ほとんどの箇所で掲揚されなかったことを私はこの目で見ています。
働き方改革で、土日は掲揚する職員がいない、そのことを私は批判はしません。雨だから掲揚できなかった、そのことも非難はしません。
しかし、戦後76年、この8月15日に、さきの大戦の戦没者を追悼する、反戦の意思を強く示すということは、埼玉県にとり、とても重要なことではないかと私は思うのです。掲揚状況が場所によって、天気によって、曜日によって、濃淡があってよいのかと問いたいのです。
先ほど教育長から答弁がありましたが、県公立学校の中で、高校は2校だけが掲揚されました。川口北高等学校、草加高等学校2校です。
この雨にぬれた半旗を見つめた川口北高等学校、草加高等学校の周辺の方々は、ああ、今日は8月15日なんだという思いに至った方もいたはずです。
2つの高校の校長先生とお話をさせていただきましたが、お二人とも「上げるべきと思った」と話されています。
質問です。県教育施設について、来年の8月15日は月曜日のようですが、県の教育施設では半旗についてどうするのか、工夫はできないのか、教育長、お答え下さい。

A 高田直芳 教育長
戦後76年が経過し、戦争を知らない世代が多くなっている中、8月15日に戦没者を追悼し、平和を祈念することは大切なことであり、県の施設である県立学校等で半旗を掲揚し、その意思を表すことは重要であると考えております。
こうしたことを踏まえ、学校閉庁日の設定なども工夫しながら、来年の8月15日には、県立学校その他の教育機関において半旗を掲揚するよう働き掛けてまいります。

 


 

来年について – 埼玉県諸施設
Q 浅野目義英 議員(無所属)
埼玉県諸施設についてはどうするのか、知事お答えください。

A 大野元裕知事
8月15日は戦没者を追悼し日本の平和を祈念する、私たちにとって特別な日だと思います。 県民の多くが戦後生まれの世代となる今日、先の大戦の惨禍に思いをはせ、平和の尊さをあらゆる機会を通じて伝えていかなければなりません。 政府が執り行う全国戦没者追悼式に合わせ、県の施設において半旗掲揚を行うことは、戦没者への追悼の思いと恒久平和を願う、県としての意思の表れと考えます。
他方、県の施設における国旗の掲揚は、従来より、県の休日である土曜日、日曜日は掲揚しておりませんでした。
しかし、今後は8月15日のような特別な日には、本庁舎、地方庁舎においては休日であっても掲揚したいと考えております。
来年の8月15日、雨天でなければ、先の大戦で亡くなられた方々への追悼と平和への祈念について県の思いを表すため、各庁舎で半旗を掲揚したいと思います。

 

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