四十三番(浅野目義英議員) 四十三番、民主党・無所属の会の浅野目義英でございます。

 民主党・無所属の会を代表して、平成二十二年度埼玉県一般会計予算案に賛意を示し、賛成の立場から討論をさせていただきます。

 今般の予算特別委員会の席上、私ども民主党・無所属の会所属の吉田芳朝委員から、子ども手当の理念について問い掛けられた折、知事は、「子ども手当は社会全体で未来を担う世代を支えようという考えに基づいている」との見解を示されています。また、県立高等学校の授業料無償化に関して、「勉学に関しては、社会全体で支えるという考え方であり、理念としては正しい」と述べられています。これらの政治理念は、私たち民主党・無所属の会と軌を一にするものであり、連帯の意味も含め、心から敬意を表したいと思います。

 政権は代わりました。しかし、政権には幾つか課題が存在していることを、地方議員として私たちは自覚しないものではありません。ですから、謙虚に耳を傾け、慢心にならず、国民、県民のための政策を強力に実行していくことが何より必要なことと考えています。

 子ども手当法では、公明党さんの修正要求を受け入れ、対象外となっていた福祉施設に入所中の児童への手当支給の検討を附則に明記しました。高校無償化法案でも、公明党さんが授業料負担の公立、私立間の格差拡大を懸念し、求められていた制度三年後の見直しを附則に盛り込みました。事実です。笑い事ではありません。

 政権交代も、それに伴う改革も、歴史の必然です。それらに即応され、新たな政策の基軸などに意を配し予算編成に取り組まれた点について、私たち民主党・無所属の会は高く評価したいと思います。

 さて、今回の新年度予算は、県税収入を見ると、平成二十一年度予算では前年度比約一千二百億円の減収、さらに今回の二十二年度予算では約九百五十六億円もの減少と、毎年毎年約一千億円ずつ減少するという、いまだかつてない厳しい財政状況です。

 けれども、厳しい経済情勢のただ中にありながら、限られた財源しかない中でも、重点的に取り組む政策の三つの縦軸として、「当面の経済対策」、「未来への投資」、「暮らしの安心保障」を基本的な考えと表明され、予算編成をされました。これらを貫くあらゆる政策の横軸としては、「雇用の創出・確保」を貫くとされました。知事は、今県議会二十二日開会の冒頭の提案説明の中で、「雇用の水準をリーマンショック以前の七万人に戻すためにあらゆる政策を動員する」と力強く述べられました。この知事の意思表示は、県内外の関係者のマインドにどれだけ強く響き共感されたかと、好感をもって評価をしたいと思います。

 また、二十六日、私どもの矢部代表の代表質問に対する答弁の中で、知事は、地域主権戦略会議のメンバーに着任したことに触れ、「私と大阪の橋下知事の二人は全国知事会からの代表、そして地方全体からの代表との思いを持って、地域主権改革が実現できるように働きたい」との旨の発言をされています。自立的社会を築くために、地域主権改革を進める意欲をメッセージとして発言され、予算編成にあまねく思想として投影されたはずでございます。このことも高く評価をしたいと思います。

 当面の経済対策に関しては、埼玉版グリーン・ニューディールを推進し、雇用の創出・確保をするとしています。

 また、未来への投資では、中小企業支援、介護分野への人材誘導、農業への六次産業化を図るなど、より先駆的な取組があり、評価したいと思います。

 暮らしの安心保障では、保育所の大幅整備促進や特別養護老人ホームの確保など、大変県民要望が多い分野への予算配分をしっかりとされました。がんセンターの新病院建設についても予算確保がされています。高く評価をしたいと考えています。

 よって、第一号議案「平成二十二年度埼玉県一般会計予算」、一兆六千七百六十四億一千万円について、民主党・無所属の会は賛成します。苦渋なく賛成します。

 以上、民主党・無所属の会の賛成討論といたします。ありがとうございました。