<部局別質疑:産業労働部> 平成28314日(月)

 1 埼玉県信用保証協会について

 2 埼玉県物産観光協会について

浅野目義英委員 

 どうぞよろしくお願いいたします。民主・無所属の浅野目です。

 産業労働関係の2つについて質疑をさせていただきます。前者は、埼玉県信用保証協会について、後者は埼玉県物産観光協会についてです。

 まず、前者からいきます。歳出予算の事業概要、産業労働関係26ページ、中小企業制度融資事業費のうち中小企業制度融資損失補償費、大きいですね、6億1,1618,000円です。担当は金融課になるんでしょうか。これは信用保証協会が代位弁済により被った損失の一部を県が補填して信用保証を付けやすくすることで、中小企業の金融の円滑化を図るものです。これについて伺いたいと思います。

 ここにいらっしゃる委員の各位も御案内のとおり、県内の中小零細企業は財務体質も担保力も弱い、金融機関にとっては決して安全に融資をすることができない相手先と言えるかもしれません。そのため、金融機関にとっては、この埼玉県信用保証協会付きでなければ怖くてなかなか貸せるものではないというのが現実ではないでしょうか。中小零細企業の保証人の代わりになってくれる公的機関が埼玉県信用保証協会であり、中小零細企業の心強い味方ということになるかもしれません。

 ここに当協会が出しているあらましが出ています。1ページに出ているトップは、県の元部長職の方であり、保証利用企業は5万3,641企業、基本財産は7269,680万円、大きいですね。しかしながら、この埼玉県信用保証協会の制度や仕組みというのは県民に余りよく知られていません。私の元にも融資の相談に来られて、この埼玉県信用保証協会ありますよというお話をすることがありますけれども、周知の努力していらっしゃいますか。

◎産業労働部長 

 信用保証協会の周知の状況でございますが、例えばテレビ埼玉の「埼玉ビジネスウォッチ」これで月2回、それからNACK5でのCM、あとは「SAITAMA Smile Womenフェスタ」、彩の国ビジネスアリーナ等でブースを出してPRに努めているところでございます。

浅野目義英委員 

 さて、埼玉県信用保証協会が直接融資をしてくれるわけではなくて、あくまで銀行や信金、信組が融資元ですよね、中小零細企業主が資金調達の折に銀行などから融資の条件とか言われて、言われるがままにこの協会を利用する人が大部分ではないでしょうか。残念ながら、借主が返済し切れなくなる事態が生じると、貸主である銀行などは、その残高を埼玉県信用保証協会に返済を肩代わりしてもらっています。皆さん御存じのとおり、これを代位弁済といいますが、この代位弁済の推移はどうなっていますか。件数と金額を3年スパンで教えてください。

◎産業労働部長 

 減少傾向にあるというふうに伺っておるんですが、詳細につきましては金融課長から答弁させます。

◎金融課長 

 埼玉県信用保証協会の過去3年間の代位弁済につきましては、平成24年度が2,993件で370億円、平成25年度が2,544件で301億円、平成26年度は1,884件で205億円となっております。今年度は、1月末現在で1,551件、158億円となっております。

浅野目義英委員 

 この埼玉県信用保証協会は代位弁済の手続を終えると、民法の求償権で定められているように、求償権請求に入ります。この求償権行使というのは怖いですね、一括でくるんですよね。この求償権行使による回収額と、その推移を示してください。

◎産業労働部長 

 それにつきましても、金融課長のほうから答弁させていただきます。

◎金融課長 

 求償権行使による回収額の推移につきましては、平成24年度が441件で55億円、平成25年度が475件で62億円、平成26年度が437件で54億円となっております。今年度は、1月末現在で333件、34億円となっているところでございます。

浅野目義英委員 

 当協会の経営計画に基づく今後の回収計画、これは減少していますよね、見通しどうですか。

◎産業労働部長 

 回収額52億円という計画で進めておるんですが、御指摘のとおり達成には厳しい状況と伺っております。保証協会のほうからは、無担保保証の推進によりまして、有担保保証が減っているせいだというふうな原因について伺っているところでございます。

浅野目義英委員 

 非常に抽象的な言い方ですけれども、極めて重要な問い掛けをしたいんですけれども、これそもそも回収というのはしたほうがいいんですか、しないほうがいいんですか、教えてください。

◎産業労働部長 

 信用保証制度自体は保証から代位弁済、そして回収まで含めて1つの制度として構築されておりますので、当然回収すべきと考えております。

浅野目義英委員 

 そうですね、回収の仕方でしょうかね。利息は一銭も付かないけれども、遅延損害金が年14.0%加算、元金回収が最優先項目なんでしょうか。それとも、この今申し上げた遅延損害金返済が優先されるのか、答えてください。

◎産業労働部長 

 契約書で債務者が弁済した金額をどうするかというのは、そこで定められているわけなんですが、基本的には債務者が連帯保証人の負担を軽減するため、遅延損害金よりも元金を優先するというふうに伺っております。

浅野目義英委員 

 この求償権行使の対象というのが第三者の保証人であっても、この遅延損害金の計算方法って変わりませんか。さらに、当該保証人が債務者に代わり元金を全額一括で返済する場合でも計算は変わりませんか。

◎産業労働部長 

 第三者の保証人であっても、計算方法は基本的には変わりません。また、一括でもやはりそれまでの遅延損害金の計算は変わらないというふうになっております。当初の約定を誠実に履行している債務者、保証人との公平性という点もありますので、そういった特別な取扱いは難しいものと考えております。

浅野目義英委員 

 少しずつの分割でも、一括でも返金ということをすれば、そのお金はまず元金に充当されるという思想であることがよく分かりました。模範解答ですよね。

 しかし、私の元には負債元金一千数百万円を全額返済する用意があるとの意思表示をし、保証協会の融資の審査の受付をしてほしいという意思表示をしているのにもかかわらず、何年もですよ、何度もですよ、回答をずっと引き延ばしされて、この回答を待つ間、返済を中止していたところ、その回答待機の期間中にも膨大な損害金を請求されたという実例も私のところに入っています。なぜゆっくり対応していたのかというふうに非常にいぶかしく思うんです。説明不足、誠意不足が否めないのではないか。債務返済の基準が明確ではないのかとさえ思ってしまいます。原理原則、理屈を通すのもいいんですけれども、きめ細かい真摯な対応が求められると思います。県から埼玉県信用保証協会へどういうふうに要請をしていかれますか。

◎産業労働部長 

 お話を伺ってみますと、保証協会のほうで十分な説明がされていないのかなと危惧しております。中小企業に対して、少なくとも十分に説明した上で、きめ細やかな対応をすべきと考えますので、これまでも要請はしておるところでございますが、今後も引き続きしっかり要請してまいりたいと思います。

浅野目義英委員 

 お金の融通というのは、もう大変な思いで、この委員の中にも企業の経営者がいらっしゃると思いますけれども、自殺、企業倒産、待ったなしなんですよね。保証人が契約時に想定していなかった過大な債務を負ってしまう。それから、世代をまたがっての融資の案件についても、履行請求されてしまう場合、こういう場合にはのしかかるものが大き過ぎますよ。事業が止まる、早期の再チャレンジができない、経営経験やノウハウがうずもれてしまって、多大なダメージに襲われるのは、私は埼玉県全体の損失でもあると言ってもいいと思います。投資であふれ、企業がどんどん生まれるための埼玉県信用保証協会の基本的な理念はどうあるべきか、埼玉県の立場というものをここで表明してください。理想と現実にかい離があれば、それは問題なんですよ。正に、こういう予算特別委員会で質疑をさせていただいて、いいチャンスだと思いますので、真摯に答えてください。

 とにかく、埼玉県の中に不利益になる人をつくらないでほしいんですよね、この問題について、お願いします。

◎産業労働部長 

 信用保証協会、透明性、公平性を十分に配慮しながら、本県経済の中小企業の活性化を第一に考えまして、金融の円滑化のために、その役割をしっかり果たしていくよう要請してまいりたいと思いますし、我々はしっかりそれを監視していきたいと思っております。

浅野目義英委員 

 ちょうど半分になりましたので、2点目にいきます。

 埼玉県物産観光協会についてです。歳出予算の事業概要、産業労働関係の33ページ、物産観光展示場運営助成費2,9937,000円及び販路拡張行政費228万円、これは一般社団法人埼玉県物産観光協会に対する助成です。

 先の自民党の委員からも、観光の課題が質疑がありましたけれども、そもそも観光費の当初予算の編成について、近年でいいですから教えてください。

◎産業労働部長 

 観光費の編成についてでございます。平成26年度1億4,600万円、27年度4億7,200万円、これはプレミアム付き商品券の関係で増えております。28年度が2億6,100万円、以上です。

浅野目義英委員 

 約1億後半から2億円後半くらいまでの間隔で投下されているということですよね。この観光費については、4年前でしょうか、一般質問を通じて大きく3つの重大な問題があるということを私は指摘をさせていただきました。一問一答形式だそうですから、一つずつこの重大な3つの問題、課題について改善されたのかどうかを伺わせていただきたいと思います。

 まず、1点目ですけれども、今教えていただいたように巨費が投じられています。毎年高い割合で、しかしながらこれは委託費に投下されていたんですよね、当時。予算のほぼ95%が委託費ですよ。つまり、平成22年は観光費1億9,400万円のうち委託費1億7,000万円、23年は観光費2億4,000万円のうち委託費2億2,000万円、当時は観光課が自前の観光政策を大ナタを振るって立案、遂行しているわけではない。特定法人、特定企業に事業を委託して、その役割を推進させている。厳しく指摘をさせていただきましたけれども、これはどうなっていますか、改善されましたでしょうか。

◎産業労働部長 

 改善の方向に向けて努力してきておりますので、観光課長のほうから具体的な数字を説明させていただきます。

◎観光課長 

 観光課所管事業の予算総額のうちの委託料の占める割合ですが、平成25年度が68%、平成26年度が46%、平成27年度が95%、これは先ほど申し上げましたように国の交付金を使ったプレミアム商品券の発行事業により委託で実施したため高くなっております。28年度は49%ということで予算をお願いしてございます。

浅野目義英委員 

 観光課長から今御報告いただきましたけれども、平成27年度の特別な例を除いて、ほぼ半分ぐらいは委託費ダウンさせているということなんでしょうかね。

 2点目なんですけれども、重大な課題の2点目なんですけれども、この莫大な委託料が当時、私は本当に不思議に思いましたけれども、高い割合でいつも2社が落札しているんですよ、随意契約で。埼玉県物産観光協会と、ある旅行会社です。特定法人と特定企業なんですよ。2社の占有率というのは、25年で75.54%、4分の3以上ですよ。これは、私は当時は民業圧迫だって訴えたんですよ。何ゆえ随意契約にしなければいけないのかを書いた執行伺いというのを閲覧したんですけれども、それぞれの2社の受注実績を乱発して、極めて高い成果が出ているとは認識されないのに、他社の参加条件を狭めている。見つめさせていただいて、私はそういうふうに思ったんですよ。どうですか、これ改善されましたか。

◎産業労働部長 

 御指摘の点につきましても、改善に努めてまいりましたので、具体的なパーセンテージ等、観光課長から説明させます。

◎観光課長 

 大手旅行代理店が受託した割合でございますが、契約額ベースで平成26年度が26%、平成27年度は4%ということで大幅に下がってございます。

 また、物産観光協会が受託した割合ですが、同じく平成26年度が32%、平成27年度が97%なんですが、27年度につきましては先ほど申し上げました国の交付金を使ったプレミアム付き商品券を物産観光協会に委託したためでございまして、これを除きますと34%ということで改善されていると思っております。

 なお、商品券発行事業を除いた大手旅行代理店と物産観光協会の両者を合わせますと、平成26年度が58%、平成27年度は54%ということで率は下がっています。

浅野目義英委員 

 最後に3点目ですけれども、この2社で物すごい高い占有率で落札されているということを指摘をしましたけれども、これまたもう一つ不思議な仕掛けがありまして、この観光物産協会の事務局長というのが、もう1個のある旅行会社の現職社員なんですよ、これ出向していたんですよ。もう日本中のこういうたぐいの観光物産協会の事務局長並びに幹部の人で、こういったほかの会社の人が出向して着任している例があるか調べたんですけれども、なかったんだよね。だから、これも改善したいと私訴えたんで、改善されましたか。

◎産業労働部長 

 事務局長でございますが、御指摘のとおり平成21年4月から27年の3月までの6年間で、3年間ずつ2人の職員が御指摘の旅行代理店から事務局長として迎え入れております。

 しかしながら、現在は受け入れておりませんで、プロパー職員が現在は事務局長を務めております。

浅野目義英委員 

 ちょっと早くいきます。3点全てが改善されたということですけれども、現在の観光物産協会の姿をちょっと教えていただきたいんですよ。

 まず、会員は増加していますか。

◎産業労働部長 

 平成25年度597団体、26年度59127年度673と、27年度はかなり増えております。

浅野目義英委員 

 観光物産協会というのは、物産観光館というスペースを持っているんです。そこの販売額の推移どうですか。

◎産業労働部長 

 それでは、販売額につきましては観光課長のほうから御説明させていただきます。

◎観光課長 

 販売額ですが、平成24年度が1億7,761万円、25年度が2億923万円、26年度が2億1,373万円となってございます。

 なお、平成27年度は1月末現在で2億817万円ということで、前年同月比14%増ということで順調に伸びております。

浅野目義英委員 

 この数字の推移というのは、私も前の質問のときにはかなり厳しくやりましたけれども、好ましい数字だと思いますよ。

 それでは、ほぼ最後に、局面に向かっていますけれども、海外の輸出拡大というのは、この観光物産協会というのはコミットしているんですか。

◎産業労働部長 

 観光物産協会と連携して進めております。

浅野目義英委員 

 これ具体的に何か言えませんか。

◎産業労働部長 

 例えば一昨年、クイーンズランド姉妹提携30周年とか、行事がございました。オーストラリアのほうの輸出に取り組んでおりますが、今年度から新規事業として埼玉県物産協会に海外輸出コーディネーターを配置しまして、オーストラリアへの輸出に本格的に取り組んでおるところでございます。

浅野目義英委員 

 今、政府が進めている日本版DMO、部長、御存じですか、これ。

◎産業労働部長 

 言葉だけで、中身について十分精査しておりませんが、言葉だけ伺っているという状況です。

浅野目義英委員 

 観光課長は御存じないですか。

◎観光課長 

 観光庁が主導しまして、現在取り組んでおりまして、いわゆる特定の法人が様々な観光業者の方と一体となって、特にインバウンドというような外国人を呼ぼうということで認定されますと、国からの交付金がいただけるという、そんなフレームだということで理解しております。

浅野目義英委員 

 是非、埼玉県は地域の観光経営の中核組織づくりですから、今年こそ日本版DMOにエントリーするべきだと思うんですけれども、お願いします。

◎産業労働部長 

 伺ったところですが、物産観光協会では外国人観光客のニーズを取り込み、県内に誘致するために観光庁に対しまして3月10日に日本版DMOの申請書を提出したというふうに伺っております。

 今後、十分に対応していきたいと思います。

浅野目義英委員 

 登録したということですので、是非奮闘を望みたいと思います。

 先ほどの自民党の委員からも、観光立県という言葉が出ましたけれども、これ多分22年だったと思うんですよ。観光立県政策というのは、観光で飯を食っていくということですよ。小さな成果を期待したいということじゃないんですよね。

 ですから、小さな観光振興とか物産販売の小さな成果を期待したいんじゃなくて、大きなメスが入って観光物産協会のいろいろなところが改善されてきたようですから、特定の企業に委託し続けているだけ、独占させているだけではないという苦しい時代を乗り越えて、最後にですけれども、観光物産協会を中軸とした埼玉県の--望みたいと思いますので、すみません、中途半端で、よろしくお願いします。以上です。