なぜ告発者は守られないのか
鹿児島県警察本部生活安全部の本田尚志元部長(60)は退職後の3月、警察官のストーカーに関する内部告発をライターに郵送しました。「県警本部長が事件を隠蔽しようとしたことが許せなかった」と主張していました。
しかし、「守秘義務違反の罪」で逆に起訴されました。
元部長の弁護士は、「行為は県警側の隠蔽を訴えるためで公益通報、またはそれに準じるものと言え、国家公務員法の保護する秘密に該当しない」などとして無罪を主張し、彼を守る方針を明らかにしています。
また、元西播磨県民局長のA氏(60)は、斎藤元彦・兵庫県知事のパワハラなど7件の文書を作成し報道機関などに配り内部告発しました。
しかし、兵庫県は文書の内容が「誹謗中傷」だとし、男性は停職3ヵ月の懲戒処分を受けました。
兵庫県議会から強い調査権限を持つ100条委員会の設置を求める声が強まる事態となりました。
同委員会へ向けて着々と準備をしていたとも言われていましたが、残念なことに、A氏は、7月7日、自ら命を絶たちました。
なぜ、我が国社会は、正義感持つ勇気ある告発者は、残酷な追いやられ方をされたり、死を選ばなければならないのでしょうか。
なぜ、通報者は守られないのか。内部告発者は組織のために、保護されないのでしょうか。
私自身4年前、居住実態を隠蔽するなど県民を欺き続けてきた埼玉県議会議員を、私が容赦なく責め立て、報道へ告発したことがありました。
しかし、同僚たちはこぞって彼を守り、自浄がみられませんでした。
逆に私が徹底的に糾弾され党内に味方がいなくなりました。上の二例同様、組織などを守るため身内の不祥事を隠蔽するよくある事態となりました。
別の事案が引っ張り出され、私は責め立てられました。
大義の退嬰を憂え、私も死さえ考えました。所属していた立憲民主党を離れました。離党届を書き押印をし、自分で県連へ提出に行きました。
党支部長は沈黙を通し、私は無所属となりました。次の選挙で、立憲民主党は女性の刺客を送り込み、私は敗北しました。
孤独な訴えをする者に石を投げてはいけない、まして死にさえ追いやることを他人事のように見つめてはいけない、みなで後ろを向かない社会をつくらなければいけません。
未来はそうならなければいけないのです。
正義を見失った社会をつくってはいけない。
そう確信しています。