【浦和区に、視覚障がい者の命を救うため埼玉県内初設置・歩行者支援装置PICS】
不安な心で、目が不自由な方はどうやって鉄道ホームを歩くのだろう。どうやって横断歩道を渡るのだろう。心を寄り添わせるということは、そういう恐怖を真剣に考えるということではなかろうか。
視覚障がい者の方には、音響式信号が極めて有効とされ、全国に設置されてきた。「カッコー♪」「ピヨピヨ♪」の音で歩行タイミングをお知らせするものだ。よく知られるもので聴いたことのある人も多いはずだ。
残念ながらこの音響式信号には欠点があった。実にうるさいのである。「耐えられない」との声も上がるほどで近隣住民の生活からすれば切実な問題であり、音量を下げる、夜は消してしまうなどの調節手段が取られたりもした。
昨年からこれらの問題が出ている交差点の課題に取り組み、埼玉県警察本部と話し合いを積み重ねてきた私にとり、朗報が飛び込んできた。
スマホートフォンで信号の色を音声や振動で伝え道路横断を支援する機器を、埼玉県警察は、課題のあったこの「県庁第二庁舎入口」交差点に設置する方針を決めたとの私への知らせだ。
この高度化PICSと言われる歩行者支援装置は、専用のアプリをダウンロードすると(無料しかも簡単!)、交差点に取り付けた機器から近距離無線通信「Bluetooth」でスマホに信号の色などが伝わり、音声や振動で通知される仕組みだ。歩行者青信号を延長できる機能さえもあるとのことだ。
安全性は飛躍的に向上するはずだ。私自身どんなに嬉しかったことだろう。関係者にも喜んで頂いている。
警察庁のデータだが、17~19年に起きた視覚障がい者の歩行中の交通事故死者は8人、重軽傷者は66人で、うち信号機のある横断歩道での死者は2人、重軽傷者は19人だそうだ。目が見えない、または目が見えにくいために、大切な命を落としたりケガをするのは、耐えられない話だ。
全県カバーで設置場所が増加することを強く要望してゆく決意だ。
また、こういった機器費用は全額国費を投入する方向で取り組むべきだろう。
障がい者センター、病院、盲学校の周辺など、視覚障がい者の方がよく利用するゾーンから順に、本当に急ぎ整備されるべきだろうと思っている。