○若松委員 続きまして、厚生省疑惑の問題について質問させていただきます。

これは質問通告しておりますけれども、埼玉六区、私が茶谷氏と戦った議員でございます。何だ、こういうやつかと。最近こういうやつが非常に人気が強いわけでございまして、小杉さん、聞いていますか。

そういうことですけれども、なぜこの茶谷公認問題をここに取り上げなくてはいけないかというと、今回の茶谷公認問題というのは単なる一候補者の公認ではなくて、この公認の過程において、いわゆる岡光事務次官、または衆議院を利用して警視庁の捜査を逃れる、そんな意図が絡んでいるから、当然この予算委員会でしっかりと議論しなければならないと思っております。ぜひ前向きな答えをお願いいたします。

このパネルも許可をいただいておりますけれども、総理、これを覚えていらっしゃいますか。これですね。

これは、大宮で茶谷氏、これは福永信彦さんが出て恐縮なんですけれども、彼に一切関係ありません。こういうことで、彼は、茶谷氏は選挙中、私どもの地元で、自分は総理または岡光事務次官のバックの力がある、私には力がある、ぜひ当選させてくれ、こういうふうに言いふらしておりました。

総理はそんなに茶谷氏と親しいのですか。特に、総理、二百八十八名自民党は公認いたしました。うち、総理が行かれたのは五、六十名だと思います。(橋本内閣総理大臣「百名を超えております」と呼ぶ)百名ですか、失礼しました。そういう中で、いわゆる新人、真っ先に応援に駆けていった、非常に親しいというのが地元の理解ですけれども、いかがでしょうか。

 

○橋本内閣総理大臣 前職中に茶谷という人が何をしていたかを見抜くことができなくて、公認をし、その支持を訴えたことを何回か本院でもおわびをいたしましたが、改めておわびを申し上げます。

そして、議員御自身がよく御承知のように、この写真に写されております福永候補の応援に参りましたとき、その福永候補の街宣車のところに茶谷候補も来ておりました。これが選挙区外であることは議員がよく御承知のとおりであります。

そして、私自身は、茶谷氏という方と会いましたのは、立候補に当たりましての写真撮影、それから推薦状を渡すといった党の手続の間において、また十月十一日、埼玉五区の他の候補者の応援を行いました際、あわせて彼の支持を訴えたときでございます。

 

○若松委員 そしてもう一つ。これは官房長官なんですけれども、十時半からいらっしゃらなくなるということでお聞きしたいと思いますけれども、これは選挙投票日の前日です。十九日三時、上尾駅西口、ここで応援演説されました。そのときに官房長官は、茶谷君の言うことには私が全責任を持つと。実は加藤幹事長も同じことを言っております。この全責任を持つというのは、どういう意味なんでしょうか。(発言する者あり)黙って聞いていてください。黙って聞いてください。

 

○深谷委員長 お静かにお願いします。

 

○梶山国務大臣 選挙投票の前日、埼玉に出向いて街宣車に乗ったことはございます。それから、言っていることに責任を負うと言ったことも間違いがございません。

私は彼のパンフレットも読みましたし、選挙公報も読ませていただきました。その言っている言葉も、そこで聞きました。聞いていることに間違いはありませんから、保証すると言いました。

 

○若松委員 じゃ、この公認なんですけれども、白川大臣は、当時は選対の本部長……(発言する者あり)総務局長ということで、当然、公認にも大変重要な立場にいらっしゃいました。

そして、例えば、白川大臣、この埼玉六区で、御存じの茶谷氏と、自民党のいわゆる公認ということでもう一人候補者が浮かんでまいりました。それがいわゆる議長ですね、全国最年少の市議会議長。彼が七月十日、白川大臣と関根参議院議員と一緒にお会いになっております。そのときに非常に好感を持たれたと私も漏れ聞いております。そして、さらに七月三十日、上尾市議会議員二名とお会いしております。それも事実ですね。そしてそのときに、七月三十日には白川大臣は、今回のこの茶谷氏をかなり強く推した、今はおやめになりましたけれども、自民党埼玉県連の幹事長に対して強い怒りを表明したと聞いております。そのときに、大臣は大変立派なことをおっしゃいました。その言葉は、こう聞いております。小選挙区制度は党営選挙であって、金や市長支援等で選挙すべきではないと。すばらしい言葉だと思いました。それから一週間後の八月六日、茶谷氏の、いわゆる公認が内定した、こう聞いております。

ここで、私ども非常に、先ほどの岡光の問題、そして選挙利用の問題を考えますと、この七月十日、お会いになって、前議長に対する好意的な、そして七月三十日、何かやるせないふんまんをあらわした。これは、なぜこの七月の間に、当初この浅野目、失礼しました、個人名は消してください、前議長、市議会議長、彼も非常に強力な候補者でしたけれども、それからぐいぐい茶谷氏に決まっていったというのが、やはり白川大臣、何かどこかからの依頼もしくはプレッシャーがあったと思いますけれども、説明してください。

 

○白川国務大臣 私は、今ここに座っておりますのは、自治大臣として座っておるわけでございまして、前の職の総務局長として答えなければならないとは承知しておりませんし、政党の内部事情を細かく話す必要はないと思いますが、あたかもこの茶谷氏の公認についてあなたが疑惑があるように言い、また、総理が応援に行くというようなことをもって特別の何か関係があるように言いますから、あえて我が党の名誉のために答弁をさせていただきたいと思います。

私は、我が党の方針に従いまして、三百の選挙区、原則として我が党の公認候補を擁立するという大方針がございました。委員御案内のとおり、埼玉六区はかねてよりある人を公認候補として内定していたのでございますが、平成八年の一月になりまして、ちょっと地元の市長選の絡みでその方が御辞退をされました。保守が、言うなら分裂しているという中で、しかし私は、我が党の方針に従ってここから候補者を出さなければならないという目的のもとに、機会あるごとに、県連に対しても候補の、公認の選定をするようにお願いをしてきたところでございますが、事情が事情だけに、しばらく名前がなかったことは事実でございます。

そうこうするうちに、委員が指摘されたようになかなか具体名が挙がらなかったのでございますが、平成八年の七月ごろ、浅野目氏というのが手を挙げてくださった。そして、会いたいというものでございますからお会いをいたしました。そういうことでございまして、候補者がいないのだから、あなたもその気があるのならどうぞ頑張ってやってください、こういうふうに言いました。当然、空白より、そこに手を挙げてくださったのだから、激励をいたしました。そして、それからしばらくして茶谷氏の名前も挙がったように記憶しておりますけれども、私は、茶谷氏はお会いしていません。

そして、私自身は日付を忘れたのでございますが、七月十日、七月三十日、わざわざ調べていただいて、きっと調べていただいたのだろうから、間違いないのではないかと思いますが、二名の浅野目氏を推す市議会議員が来て、これは党本部で決めることではないので、我が党は、まず選挙区支部、それから県連、そして県連から上がってきて党本部で決定をするのだから、それを決める埼玉県第六選挙区支部の会等で、彼が公認を得るならば、そこで努力をしなければなりませんよ、そしてそこが一番のもとですよ、こういうことを申し上げたわけでございます。

 

○若松委員 それで、今埼玉では、特に桃泉園がある北本市、または「あけぼの」がある上尾市、または県議会で、この厚生省汚職に関する調査委員会が続けられております。

そこで、先々週ですけれども、埼玉県議会のこの特別委員会におきまして、桃泉園の初代施設長が参考人で出ておりました。そこで、女性ですけれども、彼女が言うには、九月中に茶谷容疑者のことを警視庁はほとんど知っていた、なぜこういう人をあえて自民党が公認したのでしょうか、こういうことを言っているのですけれども、総理、何で公認されたのですか。(発言する者あり)では、白川さん。

 

○白川国務大臣 私は、今、国家公安委員長をしておりまして、警察が九月当時に茶谷氏のそういう動向を知っていたかどうか、私は存じておりませんが、我が党の少なくとも公認のやり方、経緯については、ここで、関与した者として御説明しておいて、また、御理解をいただくために説明しておいた方がいいと思いますので、お話をさせてもらいます。

我が党は、基本的には地方から機関主義で上げるのを原則といたしております。したがいまして、埼玉県第六選挙区支部に候補者を立てるという方針は党本部で出しますが、そこにどなたがいいかということについては、地元の方々がまず一次的に決めていただくということでございます。

そして、本件の場合は、上尾市議会議長の、公人でありますから私は名前を出していいと思います、新聞紙上に出ておりますが、浅野目氏と、そして、それから相前後して茶谷氏が手を挙げて、そしてその二人のうちどちらにするかということについて地元と、そして非常に難しい判断が要するようであったので県連も相談にあずかって、最終的には第六選挙区の代表者会議と県連との間で茶谷氏に決定するということを決めて、党本部に対して公認申請があったものであります。

 

○若松委員 そこで、今国会でも公務員のいわゆる倫理法案なりまたはそれに対応する通達なりが議論されております。

御存じの公務員の選挙違反ということで、今回茶谷氏がいわゆる選挙区内、埼玉六区内に三つの特養を、持ってきたという言い方が正しいと思います。そういう形のやり方というのは、いわゆる公務員による地盤培養行為禁止、これは公選法二百三十九条の二、これにございます。いわゆる官僚は出向地からの出馬はいけないという原則、これはかなり崩れていると思います。まず、そういう地盤培養行為禁止違反です。

もう一つ、岡光氏ですけれども、これは、岡光氏が今回のこのいわゆる公務員の地位利用禁止、百三十六条の二。例えば、これはもうみんなマスコミ等で知っておりますけれども、九月二十五日ですか、これは二十七日が解散ですから、その解散の前です。東京千代田区内で茶谷容疑者の資金パーティーが開かれ、厚生省OBが発起人となって、逮捕された岡光前次官初め厚生省の局長や課長クラスの多数が参加、そしてさらには、医療業界関係者や地元医師会の参加者を前に岡光事務次官は、茶谷君をよろしく頼むと、この事実自体は、これは完全に地位利用ですよ、地位利用禁止に反します。

なぜこういう事実を、それは確かに県が推薦して党がチェックする、これはどこでも同じだと思います。しかし、なぜこれほどの違反が明確な、明らかな候補者を公認したのか、大臣。

 

○白川国務大臣 地盤培養行為という点についてまずお触れをさせていただきたいと思いますが、地盤培養行為というのは、どの選挙区に自分が立候補をいたしたい、そういうことを前提に置いて、そしてそれを視野に置いて、例えばいろいろと必要以上に公務員ののりを越えてやっている場合に普通言われる話じゃないでしょうか。

茶谷氏は平成四年の四月から平成七年の三月三十一日まで埼玉県に出向していたようでございますが、委員御案内のとおり、この当時は選挙制度がどうなるかわからないという、ぐらぐらしておりました。それがまず第一点。それから、もちろんどこの選挙区から出るというようなことを当時考える立場になかったんだろうと思います。また、事実を見ても、例えば埼玉六区から立候補するというような意思を持って特定の行政行為をしたとは私どもは思っておりません。

そういうものを、たまたま後で、結果で、埼玉県に出向中に仕事をしたことを、それは選挙の最中でございますから在任中こういうことをやったということを言うかもわかりませんが、地盤培養行為というのは、少なくともそういうことではないと私は承知しております。

また、岡光次官がどうこうしたという話は私ちょっと承知をしておりませんが、これはしかし少なくとも公認決定後、選挙戦が始まる前後からの話でございまして、それは公職選挙法ではなくて、公職選挙法というか公務員法等の問題だと思いますので、事務当局から答弁させていただきます。

 

○若松委員 先ほど茶谷氏の、いわゆる出向地からの出馬ということですけれども、埼玉県庁を離れて本庁へ戻ってきた、しかし彼の公認決定で、彼は愛知出身ですから当然愛知の出馬の話もあると聞いております。また、埼玉でもほかのところの出馬要請もありました。しかし、本人は埼玉六区に執拗に執着をいたしました。それ自体が私は地盤培養行為の延長だと思います。そして、公務員というのはやはり権力がある、そのために、こういった地盤培養行為も事前運動という形で公職選挙法の禁止条項としているわけじゃないですか。

 

○白川国務大臣 茶谷容疑者が、茶谷氏が埼玉県庁在任中に小選挙区制度が確定をいたしたのはいつごろだったでしょうか、平成六年のたしか暮れか、あるいは最終的に確定したのは平成七年になってからかもわかりません。そういうことを考えますと、埼玉第六区というのができるかできないかということを含めて、若松先生が結果として出られた六区に殊さらに執着をしたとは存じておりません。

そして、何よりも、私が冒頭に触れましたように、我が党は平成七年の間に、ここに弁護士で優秀な方を我々は公認をいたしたわけでございます。そのときに茶谷氏の名前がちらほら挙がったとは私の前任中だから知っていますが、しかしその弁護士に決まったわけでございまして、特にそのときに彼は公務員在職中でございましたので、公認争いのために一生懸命やったとは、そんなに動いたとは聞いておりません。しかし、上尾市長選でいわゆる保守分裂選挙に彼が巻き込まれ、この点ではその公認内定者と私は相談にあずかったわけでございますが、そことの関係で彼自身がいろいろ困難を感じて公認を辞退したわけでございます。それが平成八年の一月十六日でございました。

しかし、その直後から私はもう、一度辞退を表明した人を再度口説くのは無理だと思って、新しい候補者を選定する必要があろうか、こう思っていたわけでございますが、その間ずっと具体的な名前はどなたもありませんでした。当然のことながら、茶谷氏もそこから出たいということが私のアンテナにひっかかりませんでしたから、当時彼が執拗にこだわっていたということは、私は認められないと思います。

 

○若松委員 話は戻るのですけれども、先ほどの、名前が出てしまいましたので、いわゆる浅野目前議長ですね、彼は全国最年少ということで、いわゆる衆議院候補者としても特に問題ない、それは白川大臣、おっしゃったと思います。それが七月前半で、その一カ月後に急速に、これだけの問題を抱えた、よくマスコミで言われている史上最悪の候補者、こういう人を擁立したということで、先ほどの自民党埼玉県連、じゃ、どういう処理をしたかというと、例えば、我が党のことを言うと、私も正直言って、何でこういう事件が起きたか残念でならないのですけれども、オレンジ共済のときに、西岡幹事長が何度も記者会見をして謝罪表明をしました。しかし、この埼玉県におきましては、いわゆる野本前幹事長、それが副会長に昇格というのでしょうか、何というのでしょうか、そういう形でこの問題を処理されると、党として何ら——この公認に関するいわゆる謝罪なりしていますか、正式に。

 

○白川国務大臣 まず第一点、浅野目氏が本来公認されるべきところを、委員は何か、何かの力が働いて茶谷氏になったというような言いぶりでございますが、そういうことは全くございません。

正直申し上げまして、候補者が辞退するというような事態があったところでございますから、なかなか名乗りを上げてくれる人がいなかった。しかし一方では、総選挙はそう遠くないという中で、県連といたしましても、党本部としても、だれかここで出てくれる人がいないのかな、こういうふうに期待をしていたところでございますが、浅野目氏がまず新聞紙上で出馬の意思ありというようなものが、そういう報道に接しました。そして、相前後して、茶谷氏もそこから出てもいいという意向があるようだということから、急遽人選が始まったわけでございまして、二人は全くパラレルに、大体同じころ、そして平等に扱われて、どちらが候補者としてふさわしいかということで、地元と県連が本当に鋭意鳩首並びに全体の会議等を何度も開いて、最終的に八月六日ですか、第六選挙区支部の代表、役員の中で最終的には茶谷氏にするということが平成八年の八月六日に決まったということが、これが第一点でございまして、何か変な力が働いて誤ったというようなことは、どうぞ——私の名誉にかけて申し上げますので、申し上げます。

それからもう一つ、我が党が何らこの問題について責任をとっていないとかおわびの言葉がないと言っていますが、そういうことではなくて、平成八年十一月十九日、我が党の党務の実際上の責任者である加藤幹事長は、茶谷氏について、落選したとはいえ我が党候補であった者がその前職中に犯していたことについては、これを見抜けなかった我々の不明をおわびしたいというコメントを記者会見で述べております。

そして、それだけではなくて、平成八年十一月二十五日、彼は重複立候補しておりまして、三番目に、上の人が三番欠けた場合は受かるというそういう資格を持ったものでございますが、茶谷氏を衆議院比例代表名簿から抹消する手続をこの日決定をいたしまして、そのような措置をとっております。

また、我が党の総裁である橋本総理は、平成八年十二月二日、テレビが入った本会議場におきまして、「茶谷容疑者を自民党の公認候補といたしましたことは、落選したとは申しながら、その前職中に犯しておりました行動について、これを見抜けなかった我々の不明をおわびいたします。」このように我が党の最高責任者が国民に深くおわびしているのは、このとおりでございます。

 

○若松委員 私は、小選挙区でまさに政策論争をできる、かつ、彼が立候補と決まったときに、三十九歳、私と二つしか違わないということで、非常に新しい選挙制度にのっとった戦いができると思ったわけですけれども、結果的に彼は、いわゆるネガティブキャンペーン、そして買収なんでしょうか、私と一緒に回っていた市議会議員、きょうは一人あちらの陣営へつき、あした、また次の日は一人つき、どんどんあちらに回っていった。当然、地元では買収という声が聞こえております。(発言する者あり)それは地元で聞こえているからしようがないでしょう。それはしようがないでしょう。そういう中で、かつ、この茶谷氏が立つ前後にして、彼は捕まるよ、百数十名のいわゆる警察が調査している、これも議論しておりました。

なぜこのような候補者を公認させたのか、私はどう考えても不自然であります。今、党の本部の方が答えられないということであれば、私は、これは先ほど言いましたように公務員の倫理の問題もございますので、ぜひともこの公認にかかわりました野本陽一前県連幹事長並びに松永県連会長のこの予算委員会での参考人招致または証人喚問を要求します。

続きまして、この……(発言する者あり)さらに続きます。ちょっと聞いてください。聞いてください。ちょっとうるさいですから……。続きまして、なぜこういう事件が起きたのか、やはり構造的な問題を議論しなければいけないと思います。

それで、ちょっと字が小さくて恐縮ですけれども、これが特養、いわゆる九〇年度からの厚生省の、これは東京ですね、補助基準単価、九〇年十六万七千四百円、これは一平米当たりですか。これが、九六年、一貫して上がっております。伸び率指数、こうやって九〇年一〇〇%に対して二七・五%上がっております。

それで、じゃ、民間はどうなのかということで、東京標準建築費指数、これが、九〇年一〇〇とすれば九六年九三・八、大分下がっているんです。それで、この北本市議会でも先ほどの調査委員会が開かれております。そこでの大きな議論は、なぜこれだけが乖離したのか、いや、この乖離を結局小山容疑者は注目して今回の丸投げになったんだ、こういうことでありまして、この数字に対しては総理、どう思われますか、もしくは厚生大臣。

 

○羽毛田政府委員 お答えをさせていただきます。

まず、今回のケースにつきましては、何度かお答えを申し上げましたように、国庫補助単価を大幅に上回る事業費で、そういう中でさやを抜くというやり方をとられたということが今回の事件の本質でございます。

さてそこで、特別養護老人ホームの補助基準単価でございますけれども、これにつきましては、先生お示しいただきましたように、確かに、先生お示しの期間内における他の単価のいわば指数で見ますというと、老人ホームの単価は指数で上がってきている、そして先生お示しのありました東京の標準建築費指数は下がってきている、それはそういう数字になっておりますけれども、これにつきましては、かねてから特別養護老人ホームの単価につきましては実勢価格に比べて低水準である、つまり、他の建築費に比べて格差があるということが非常に指摘をされまして、地方団体等からも上げてくれという強い御要望をいただいておったわけであります。

そういったところから、私どもも実態調査をいたしまして、その実態調査の結果を踏まえまして、逐次、八年度に向けて改善をしてきた。そのことによりまして、格差の縮小を少しでも図ってきたということの結果がこういう単価の指数になっているということでございます。

しかしながら、今回のこういった事件もございますし、平成九年度におきまして、改めて社会福祉施設の建築費単価についての実態調査を行いまして、そしてこれを踏まえまして、実態に合った、言ってみれば過不足のない単価が設定をされるようにこれも努めてまいりたいというふうに思っておるところでございます。

 

○若松委員 今の局長の説明じゃ、なぜ丸投げがされたかという回答にはなっておりません。

これは厚生大臣に答えていただきたいんですけれども、先ほどのポイントをちょっと棒グラフでロータスを使ってやったわけですけれども、これだけやはり差が出てきたというところで、先ほど御説明もありました、いわゆる基準単価はもともと少なかった、だからそれを改善したということであれば、丸投げは起きないんですよ。だけれども、起きたということの答弁をいただきたいんです。起きたということにですね。

特に、九〇年一〇〇として九六年、この差というのは三四・一ポイントあるんですね。そのうち一部は、基準単価が低過ぎたという改善もあるでしょう。しかし、九六年度の東京都内における鉄筋のいわゆる五十床の特養の標準単価というんですか標準金額、これ二億三千三百万円あるんですけれども、単純に、先ほどの三四・一ポイント差になりますと、民間ですと一億七千万円でできる。小山氏の丸投げの金額と非常に似ているわけなんです。その差、実に六千万円。

ですから、平成七年度の特養の予算が七百五十三億円、これを単純に三四・一%掛けると百九十九億円。二百億円近い差が出てくる。これを本当に改善するんだったら、いわゆる建設省が言われるコスト縮減ですか、縮減を図って、少しでも多く増床を考えた方がいいんじゃないか、こう思うのですけれども、厚生大臣、いかがですか。大臣、答えてください。