上尾市長選は三十日告示され、新顔で元市議会議長の浅野目義英(41)、新顔で新日本婦人の会県常任委員の増田悦子氏(64)=共産推薦=、再選を目指す現職の新井弘治氏(63)=自民、民主、公明、改革クラブ推薦=の、いずれも無所属の三人が立候補を届け出た。投票は二月六日。同日午後九時から市民体育館で開票される。二十九日現在の有権者数は十六万九千十九人。
今回の市長選は、「合併問題」が大きな争点になるとみられていた。浦和、大宮、与野三市が合併するとすぐに、上尾市は新市との合併を打診されるためだ。しかし第一声で合併問題に触れない候補もおり、論争は湿りがちだ。
浅野目氏は、JR上尾駅東口で午後一時半から出陣式。「隣に百万都市ができる。今、市政を変えなければ、人も物も金も上尾から流出する」と合併推進を論じた。応援の荒井松司前市長も「市民は、合併・政令指定都市を目指している」と述べた。
増田氏も、同駅東口で午前十一時前に第一声。「不況の時こそ、健康と暮らしと福祉に重点を置いた市政を」と、市独自の介護保険利用条例の策定や教育予算の充実を訴えたが、合併問題には言及しなかった。同氏は、「合併の是非は住民投票で」との立場だ。
新井氏は、同市壱丁目の選挙事務所で午前九時から出陣式。「合併は、市長だけで決めるわけにはいかない。市民の懇話会をつくり、みんなが納得のうえで解決しなければならない」。推進の立場ながら、早急に結論を出すことには慎重な考えを示した。