公立高校入試の数学問題が難しすぎるのではないかと、17日の県議会一般質問で取り上げられた。学力低下が叫ばれる中、ちょうどいい難易度とは…。
県教委によると、今年の数学平均点は、42.4点で全教科の平均(55.1点)を下回り最低だった。前年も36.5点と県の予想(50点)に届かず、最も高い国語の平均点と20点以上もの開きがあった。
浅野目義英議員(民主)は「正答率0.4%という問題もある。受験生が手も足も出ない問題は公立高入試としてふさわしいのか」と問いだたした。
これに対し、前島富雄教育長は「数学の解答はすべて記述を求め、深く思考してほしいというメッセージと込めている。平均点は昨年より上がっており、中学校での指導が浸透してきた結果だ」と答弁。一方、上田清司県知事は「選抜試験とはいえ、中学生の日々の努力が報われる問題であるべきだ。意義のあるご指摘で、(県教委)事務局にしっかり対応するように伝える」と答えた。
公立高入試について、学校現場には、「合計点が5教科200点から500点に引き上げられた2010年度の入試改革から全教科、とりわけ数学の難易度が顕者になった」という声がある。埼玉高教組は「難問ばかりだと、白紙回答が増え、正確な学力が測れない」として平易化を求めている。
これに対し、「(入試改革で)自校作成問題ができなくなり、応用問題を課すことで真の学力をみたいという思いはある」と明かす進学校の進路担当教諭も。
数学の問題について、進学塾「栄光ゼミナール」の横田保美公報室長はこう見る。「関数と図形に重きを置く歯応えのある問題。ただ解くには一定の練習量が必要で、中学の授業時間内でこなすのは容易ではない」
長野県では昨年の公立校数学入試で過去最低の平均点を記録。試験場で泣き出したり体調を崩したりする生徒が続出し、県教祖が抗議する事態が起きた。