首都直下地震対策として埼玉県の上田清司知事は二日、老朽化した県庁舎の耐震補強工事が終わるまでは、発生した場合の災害対策本部を暫定的に県議会の議会棟に設置することも検討したいと表明した。
防災拠点としての県庁舎は、議会棟を除く全庁舎で耐震強度が不足、「極めて脆弱(ぜいじゃく)と認識している」と述べた。
県議会で浅野目義英議員(民主)の質問に答えた。
県の本庁舎は建ってから五十年以上が経過、震度6強以上の地震では、〇.三未満だと危ないとされる強度の指標で、〇.一六しかないという調査結果が出ている。
各庁舎を結ぶ「渡り廊下」はさらに危険との指摘があるが、耐震診断はしていないという。
予算上の制約などから建て替えは断念し、二〇一〇年度までに補強工事をしてしのぐことになっている。
ただ県の職員からも「補強工事で本当に大丈夫なのか」「どうせ将来は建て替えなければならず今やった方がいい」との声もあがる。
庁舎のうち県議会の議会棟だけは一九八三年に完成し、耐震性に優れている。