上尾市は、聴覚障害者の「特別枠採用」について十八日、試行的に臨時採用(半年間)の方向をとり、
経過をみたうえで年次的に本採用するかどうか検討していく方針を打ち出した。

同日の市議会一般質問で、浅野目義英議員(新政クラブ)が市の考えをただしたのに対し、田仲治樹総務部長が答えた。

同市の場合、昭和五十一年身体障害者雇用促進法の制定に伴い、現在までに法定雇用率は達成されている。
しかし、中身は肢体障害者が中心で聴障者、視障者、車いすの人などは一人も入っていないのが実情。

このため、同市身体障害者福祉会(矢島敬一会長)から先月二十日付けで、市当局に職種を限定せず、
一般事務職として障害者の「特別枠採用」を即時実施してほしい- という上申書がだされていた。

田仲総務部長は
「聴覚障害者といっても、どういう人がくるのかはっきりしない段階では検討しにくい。
市としては初めてのケースなので、採用後の経過を見た方がよいと判断。年度内に試行的に臨時採用したい」と話している。

なお、「別枠」採用については、所沢、坂戸、大宮市などが実施しているという。