県は28日、卒業式で広く歌われている「旅立ちの日に」を作詞した元秩父市立影森中学校校長の
故・小嶋登さん(秩父市出身)の功績を顕彰する考えがあることを明らかにした。
浅野目義英県議(民主党・無所属の会)の一般質問に対し、上田清司知事が答えた。
浅野目県議は「『旅立ちの日に』が、全国の中学校の音楽教科書に掲載されている」と強調。
「県内、全国の中学生がこの歌を学んでいる。卒業式で一番歌われている。
秩父市は『ふるさと文化賞』を贈り、政府も陛下の名で『従六位・瑞宝双光章』を贈ることを決めた。
県や県教委に、顕彰する動きがないのは残念」と述べた。
上田清司知事は「どういう形で顕彰したらいいか。しっかり検討した上で、しかるべき顕彰なり表彰なりをしたいと思っている」と答えた。
「旅立ちの日に」は20年前、同中学校で誕生した。
同校で音楽教諭を務めていた高橋(旧姓坂本)浩美さんから
「3年間一緒に頑張った卒業生に世界に一つしかない歌を贈りたい。歌詞をつくってほしい」と依頼されたのがきっかけ。
後輩たちに歌い継がれ、全国に広がった。
小嶋さんと高橋さんは2008年、埼玉新聞社制定の埼玉文化賞(社会文化部門)を受賞している。
小嶋さんは今年1月20日、急性心筋梗塞のため、80歳で亡くなった。