県が作製、無料配布した冊子「幻想百物語埼玉(歴史編)」(22ページ)に62カ所の誤り、78カ所の修正があったことについて、上田清司知事は9日の県議会で「(作製段階で)税金ということで、自分のお金でないから、安易な気持ちがどこかにあったのではないか。誠に申し訳ありません」と謝罪した。浅野目義英議員(民主・無所属)の一般質問に対する答弁。
県などによると、幻想百物語は県が持つ魅力を発掘するとともに、県内外に発信することを目的として作製。歴史編のほかに妖怪編(5万部)と開運編(2万部)、動画(47本)もある。2011、12年度の事業で、全てJTB関東法人営業埼玉支店(さいたま市大宮区)が受託した。委託料は約2300万円。
歴史編は県のイベント開催時や希望者に無料で配布したところ、歴史愛好家からの指摘により、誤りが発覚したという。例えば、戊辰(ぼしん)戦争で敗れた新選組局長の近藤勇が新政府軍に出頭した場所が、流山市(千葉県)ではなく、越谷市と記述。秩父夜祭の笠鉾(かさほこ)が笹(ささ)鉾、年が特定されていないはずの大和朝廷の国土統一が350年などとなっていた。
JTBの費用負担により、新たな歴史編を作製している。