さようなら、後藤初枝さん

風の強い日に聞いた。
お店の前に救急車が停まっていた。
というものだった。
出かけてみたらお店は開いていた。
子どもたちもたくさん来ていた。
何だ杞憂だったのかと思ってたら、中にいた夫人が声をかけてくださった。
「浅野目さんですね。母は亡くなりました。生前大変お世話になりました」
呆気に取られた。2週間前にチョコとトマトジュースを買い求めたばかりだった。そろばんを弾いてお釣りをもらった。「また来ますね」「うん、また来てね」それが最後の会話になってしまった。

本当にお世話になった。だからとても辛いことだ。
旦那さんの後藤勉さんが亡くなられて間もなくは、寂しいですね。と声をかけても、そうでもないよ。なんて笑っていらした。けれど此頃は、寂しいねえ。などと言ってらした。
今日は清明。
天に去られた後藤初枝さんに、さようならを言うため、葬儀に参列した。

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