「やさしい世代」とか「しらけ世代」といわれ、
その政治的無関心を批判されることの多かった若者たちに、
新自由クラブは政治への関心を高めさせてくれた点について、画期的であった。

高度経済成長期に生まれたわが世代は、見せかけの繁栄の中で育ち、
常に価値観を与えられ、既成の枠組みのもとに、
おとなしい行動を余儀なくされることが多かった。

政治的理想主義実現への新自由クラブの果敢はチャレンジは、
わが世代を共鳴させ、新しい発言や行動を起させる大きな原動力になった。

事実、多摩市、上尾市の二十五歳の青年市議候補者に公認・推薦を与え、
当選に導いたのをはじめ、二十七歳の東京都議が誕生するなど、
この十年、若くてやる気に満ちた地方議員、活動家を生みだした。

また、各レベルでの選挙戦では、アクティブな動きを若者が中心になり展開したことも含めて、
新自由クラブがわが国の若い力による政治改革の一翼を担ってきたことは確かな事実である。

こういった生き生きとした動きが、党の解散という事態のもとで停滞し、
消滅していくのは残念なことである。

十年間の「壮大な実験」に対しては率直に称賛を贈るが、
信頼される政治実現のため、全国に散在する全ての党関係者の皆さまに、
これからも若者の政治参画の道筋を創造し続けて欲しいことを心から切望したい。