あなたは、笑っているか。
二十年ほど前になろうか。
たまたま深夜のテレビで、日米の高校生が両国の国柄について話し合うという、楽しい番組を見た。米国の高校生が日本の高校生に「ジーパンはいくらくらいなの」と尋ね、一方、日本の高校生は米国の高校生に「勉強はどのくらいしているの」と質問したりして、興味深い番組だった。
互いの国の文化、歴史認識、家族観などを知るのに、こういった企画と手法は好ましいことだと強く思った。しかも、共通言語は英語であった。こういう時代が来たのだなという印象も持ったりした。
番組が終わりに差し掛かりアナウンサーが“What’s the greatest power in the world?(世界で一番強い力は何)”と、大きな声で日米の高校生に問いかけた。
米国の男子高校生が“justice(正義)”と答え、会場は静かになった。日本の女子高校生は“money(お金)”と答え、会場が笑いに包まれた。
最後に、米国の高校生が“smile(笑顔)”と答えると、会場が大きな拍手に包まれた。
私は、よくこのテレビ番組のことを思い出す。自分がつらい時、笑顔は自分を強くしてくれる。そして笑顔は、相手にも計り知れない大きな力を与えられるだろう。
笑顔には、その人の人生と人格が詰め込まれている。笑顔は、多くのことを変える力を持っているのだ。
個人と家族に、笑顔がなくなったからこそ、様々な困難が出現してきている。個人と家族が、笑顔に包まれることが、祈るように切実に強く望まれている。
笑顔は、世界で一番強い力なのだから。